スポーツ留学生のひとりごと。

初めまして!このブログではスポーツ留学を考えている人たちが少しでも留学のイメージが湧きやすいように。そして行ってみないと分からないような現地の情報を一人一人に質問し、まとめています。海外の留学に興味がある方は是非色んなスポーツ留学生の先輩を見てみてください!

金岡天夢:アイアンマン

 

初めに

オーストラリアのゴールドコーストでトビタテの繋がりであった、アイアンマンの金岡くんに取材を行いました。

サッカー人生を経た後に燃え尽き症候群気味になり、新しい経験をしたいと思ったことがきっかけで行ったアイルランド

そこで彼が感動したものとは?

今後の人生にどのように関わったのか?

彼のバックグラウンドを探りました!

 

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紹介文

出身地:福井県

出身校:星稜高校  星稜大学

生年月日:1996/7/5

競技:サッカー トライアスロン 

主な経歴:2011 JFA national Goal keeper Camp

2014 全国高校サッカー選手権大会 全国優勝

2016 Ironman 70.3 China Xiamen 18-24 age group No.3

2017 Ireland national performance squad member (Non-ITU)

2017 石川県のとじまトライアスロン Age 1位

モットー:「もう一人の自分に勝つこと」

 

トビタテテーマ「石川県における海外アスリート向けの留学プログラムの実現化」

 

instagram @tri_temu

https://www.instagram.com/tri_temu/?hl=ja

 

〜質問欄〜

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今回取材に応じて下さった理由は何ですか?

元々、はるかさんとはトビタテがきっかけで知り合いました。

 

僕が行なっている競技は、海外に行くことが必須な競技で現時点でも海外経験は普通の大学生よりもかなり多いと思います。

 

そこで僕が体験した「海外に行ったからこそわかること」を伝えたいと思い今回取材に応じました。

 

この「海外に行ったからこそわかること」というのはもちろん「海外=スポーツ」だけじゃないということ。

 

例えば、各国の文化に触れたり友達ができて価値観もかなり変わったなと思っています。

 

プラスアルファ僕自身サッカーを高校までやっていて、その後バーンアウト燃え尽き症候群)になってしまい、そういう人達にも選択肢が海外にもあるということを知ってほしいと思っていました。

 

しかしながら現状発信する機会もかなり少なく、今回はるかさんが記事を書いていることを知って是非協力したいと思ったからです。

 

あなたの留学計画について詳しく教えて下さい。

僕の留学計画は大きく分けると3パターンになります。

 

初めての留学はアイルランドに語学留学をしました。

 

実は僕が留学に興味を持ったのは、僕が通っている学校が「TOEICの点数が良ければ学校が提示している語学学校に対してお金を出してくれる」ということを知ってからです。

 

サッカーで燃え尽きたことでかなりモヤモヤしていた僕からしたら、ビックチャンスでした。

 

元々TOEICの点数は200点台だったのですが、もうそこに向けて1ヶ月しか時間がない中、お金を勝ち取るために必死で勉強しました。

 

たった一ヶ月だけの期間だったのですが、奨学金水準であるスコア600点以上を取ることができ、無事奨学金を勝ちとってアイルランドに留学することができました。

このときの留学は、およそ2ヶ月間行きました。

 

その時に今の行なっている競技である「アイアンマン」に出会いました。

 

2パターン目の留学は「試合に出るための合宿兼大会」です。

 

僕が実際に行った国は、イギリス、タイ、シンガポール、マレーシア、台湾、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランド、ハワイ、です。

 

大会ごとにIronman week というのが設けられており、大会開始の1週間前にイベントがあります。

 

例えばオーストラリアでの大会だったらグレートバリアリーフでの水泳大会、他の国でも各国の観光地を盛り上げるようにマラソン大会が行われていたり、アイアンマンキッズという大会が設けられ、実際の距離より少し短いコースを子どもたちがアイアンマンとして出場します。

 

また、周りでは屋台などが出展されてウェルカムパーティを行なってくれる国も多く、かなり盛り上がります。

 

僕がトビタテ留学ジャパンを利用したのもオーストラリアで行われるコモンウェルスイギリス連邦に加入している国が出場する大会のことで、オリンピックのように4年に一回行われる大会のこと)でボランティア兼選手として試合に参加もしてきました。

 

海外と僕の地元である石川県を繋ぐための勉強期間としてかなり良い経験にもなりました。

 

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もう一つはバックパッカー(旅行)での一人旅です。

僕の学校では学校祭の1週間前から休みになるので、

そのタイミングでパッと一人で飛行機をとって一人旅をしてきました。

思い立ってすぐ行動に移した感じですね。




留学前の海外へのイメージはどうでしたか?

正直不安もありましたが、海外の食べ物を食べるのが好きだからワクワクの方が大きかったです。

 

事前に現地の料理を日本で食べて、本場のご飯を現地で食べて食べ比べをするのが楽しみでしたね。

 

海外のご飯は日本ともかなり違うところもあると思うのですが、食事が原因で大会へのコンディションが左右されることはありませんでしたか?

実は、パッタイという(タイ料理)を食べて食中毒になったことがあります。笑

 

もちろん現地の料理が合う合わないでコンディションが変わることはありましたが、危険を察知した時はよくファーストフードに逃げていました。笑

 

体に悪そうなイメージもありますが、屋台とかよりよりは安全なイメージは僕はあります。

マックとか日本にもあるようなチェーン店によく行きますね。

 

先程現地のものも食べたいとは言ったものの、やはり試合が第一なので現地の食べ物は極力試合の後に食べるように心がけています。



周りに留学を身近に感じれるような存在がいたり、実際に助けて貰ったことはありますか?

正直本当にないんです。笑

 

自分で何かをやることに意味があると思っていて。

 

後性格的に負けず嫌いなので、自分でやらないと意味がない!と自分に言い聞かせてやってましたね。

 

トライアスロンに興味を持ったきっかけを教えてください。

 

元々自転車が好きだったのが大きな理由です。

後結構飽き性なんですよね。

 

そのタイミングでYouTubeでみて、トライアスロン挑戦してみようと思ったことがきっかけでトライアスロンを始めました。

 

 

「アイアンマンに切り替えた」とおっしゃっていましたが、なぜアイアンマンに切り替えたんですか?

 

アイルランドのアイアンマンのレースを見る機会がありまして。

 

そこで70超えているくらいのお爺ちゃんがもうヘトヘトになりながらゴールしているのを見ました。

 

タイムも17時間とギリギリだったのですが、

「あんなお爺ちゃんができるなら僕もできる」

と思ったことがきっかけでアイアンマンに切り替えました。

 

正直なお話、トライアスロン、アイアンマンの違いについてまだはっきりわかっていないのですが、詳しく教えていただけますか?

1番の違いは、距離ですね。

 

オリンピック競技でもあるトライアスロン

 

水泳が1.5km、バイクが40km、ランが10km(総距離51.5km)となっているのに対し、水泳3.8km、バイクが180km、ランがフルマラソン42.195km(総距離226km)です。

 

単純計算で距離が4倍くらい違うんですよ。笑

 

そして一番違いを感じたのはゴール地点での盛り上がり方ですね。

 

なんか日本のマラソンとかってよく頑張ったな〜ってな感じで終わるじゃないですか?

 

アイアンマンはどこの国とか関係なく、ゴール地点でみんながワーーー!ってなります。

 

「よくがんばった!!!!すごいぞお前!!!」みたいな感じで全く知らない人たちから褒めてもらったりすることもありますね。

 

僕が思うにアイアンマンはかなり海外では主流になってきていることと、競技自体のきつさをみんな知っているから盛り上がるのではないかなと思っています。

 

後はいろんな国の人達とウェルカムパーティーなどを通じて友達がたくさんできます。

競技人口自体は見ている感じだと40代が多いように思います

 

何故ならアイアンマンの大会に出る費用って渡航費もかなりかかりますし、それプラス参加費がびっくりするくらい高いんです。

 

一試合で20万かかるなんてザラですね。

 

また、体力をかなり消耗する競技なのである程度時間もないと厳しいとも思います。

 

そう言った条件から、40歳くらいの方がお金や時間にも余裕が出てきてゴルフを始めるような感覚でアイアンマンに挑戦する人が最近増えています。

 

留学後に変わった自分の考え方や価値観があれば教えてください。

 

元々今回のトビタテ留学ジャパンでの渡航前は進学希望(大学院)だったのですが、就職することを決めて、現在はインターンや就職活動をしています。

 

せっかく沢山のことをインターンで習ったのでそれを現場で生かしていくことが今の目標ですね。

 

特に東京オリンピックに関わりたいという思いです。

何かを研究するのは大学院向けですが、僕のケースはスポーツのマネージメントがメインになってくるので、現場ですぐに試していける就職向けだと考えました。

 

学び続けるのではなく、まずは実践に関わりながら経験を積むことが大事だと思います。

それを今回の留学でボランティアをしたコモンウェルスで感じました。

 

個人的に変わった点といえば、色んな面で能力がついたように感じています。

 

また海外で戦ったことで日本での生活に対して余裕が出るようにもなりました。

 

日本にしか滞在していない時は、流されたり人の意見を気にすることが多かったのですが、今は自分個人としてのキャラ、自分の存在がブレないようになったなとも思っています。

これは海外経験者、特にスポーツをされている方は感じたことがあるかもしれませんが、海外にいるときに「日本」を背負っているという感覚がありました。

 

礼儀などの面で日本人として期待されていることがありましたし、一個人としても日本人としてもしっかりとしなければいけないと感じました。

 

正直、高校の時はチームについていくことが精一杯だったけど、沢山の留学経験をしたことで多くの人から海外について聞かれたり、留学から帰って来たことが留学未経験者からする一つの大きな達成となり、周りから尊敬されたりするようになりました。

 

そういうことの積み重ねでいつの間にか誰かの見本になっていることにも気がつくことができ、いろんな面で責任も生まれて来たように思います。

 

自分に自信を持てたしむしろ自信を持っていないとしんどいところまで行きました。

 

一番大きな成長だと思うのは自分の意見を海外の人、日本人関係なく誰にでも言えるようになったことです。



留学中に困難を乗り越えた経験はありますか?

 

一番きついのは結局喋れない事かなと思います。

 

ぶっちゃけ生活できるできないとかではなく、「話せれば話せるだけ輪が広がる」という部分が大きく、やはり話せないうちは直ぐに話が途切れてしまうことも多かったですね。

現地の言葉を話せて損はないなと思います。

 

後、これは驚いたことなのですが日本のことについてかなり聞かれることです。

 

ただ日本の挨拶など簡単なことを聞くだけではなく宗教、料理、日本の文化について聞かれることも多く、答えられない事も多々ありました。

 

しかも他の国の方々は自国のことについて凄く詳しい…。

 

ここまで答えられないのは日本人だけではないかとまで思ってしまう程です。

 

もう一つはトライアスロンならではの問題だと思うのですが食事の面ですね。

 

やはり合う合わないはありますし、現地滞在が長い分合わなかったからコンディションにも簡単に響きます。

 

今では学習もして、「1日でも早く現地の食べ物で一つでもいいから好きなものを見つける!」ということを意識しています。

 

プラスアルファ現地で日本食も見つけておくといざという時に為になりますし、安心もしますね。

 

特にスポーツ選手として辛いなと思うポイントです。



今後の目標を教えてください。

 

トビタテのテーマでもあった

 

「海外のアスリートを逆輸入ができる環境を整えて行きたいと思います。

 

言わば橋渡し的な存在になり、海外の人を日本に連れてくることで日本人の人たちが海外の人を見て何か刺激にもなるだろうし、逆に海外の人たちも日本で感じることがあると思います。

 

お互いいい刺激になる場所というのを作って、日本のスポーツ界がグローバル化していくための第一歩にして行きたいですね。

 

特に東京オリンピック後に海外に飛び立ちたいという人たちは、僕たちが支えていく番だと思っています。

 

今の子どもたちを始めとした、世界に羽ばたきたい子どもたちを支援して行きたいなと思っています。

 

選手としての目標は世界大会で戦績を残すことです。

 

アジアの大会とか、他の大会とかで結果を残せてもなんだかしっくり来ない自分がいるのでやはり狙うは世界一ですね!

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今後の未来のスポーツ留学生に伝えたいこと。

 

まずはチケット(航空券)をポチッと購入することですね。

 

僕がアイルランドに行く前に現地のサイトを見たり、検索をかなりかけてしまって情報量が多くなるに連れて、あれこれ考えてかなり不安が募りました。

 

これ通用するのかどうかとか、どうなるんだろうと思うと余計に億劫になってしまいます。

 

そんなことを調べたりする前にポチっちゃえば留学することから逃げられなくなる状態を作れます。

 

まず留学に悩んだなら先に行くことを物理的に決めてしまうことが大事かなと思います。

 

正直そこから考えれば良いし、不安に思っていることって意外と起きなくて現地に行ってからうまくいくことって多いんですよね。

 

スポーツやってる人だったら、ワールドカップを見にいくとか、現地のローカルの試合を見に行くととにかくなんでも良いから一人で行くことを決めることが大事!

 

行きたいと少しでも思っている人には是非留学にいくことをお勧めします!

 

この度は取材してくださってありがとうございました!

 

最後に

サッカーの全国経験があり、その後バーンアウト気味になってしまうという典型的なパターンだった金岡くんが、その後の生活で自分の人生を挽回していくというのはかなり魅力的でした。

アイアンマンは競技の中で一番過酷とも言われているものだったので、競技をしている時どんな気持ちか聞いてみると、「やっている時はなんでこんな頑張っているんだろうとバカバカしくなったりもする事もありますよ〜笑」と話してくれました。

それでもやはり応援してもらえる環境に対しての感謝の気持ちは素晴らしく、海外の人たちと日本人が関わる場を増やしたいと熱く伝えてくれました。

今回は取材を受けてくれてありがとう!

読んでくださった方々もありがとうございました。